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「リサーチへの熱量と細部のこだわり。そこにプロ意識を感じる」── 株式会社マーケティングアンドアソシェイツ

2024年に創業50年を迎え、長きにわたりマーケティングリサーチを専門的に手がけている株式会社マーケティングアンドアソシェイツ。同社では、クライアント企業の課題に応じて、企画・設計から分析・報告まで、幅広いリサーチ業務を行っています。

多様な業界・テーマの調査案件に取り組むなかで、リサーチパートナーとして欠かせない存在となっているのがアイディエーションです。年間を通して数多くの案件を協業させていただき、とりわけインタビュー調査などの定性調査においては、深い信頼を寄せていただいています。

数あるリサーチ会社の中で、なぜアイディエーションをパートナーに選んでいただいているのか。今回は、代表取締役社長の高橋隼人さんに、アイディエーションに感じる強みや、プロジェクトを一緒に進めるなかで印象に残ったエピソードなどを伺いました。聞き手は、アイディエーションの山川雅志です。

データの裏にある“深層意識”をどう読み解くか?

── 本日はよろしくお願いします。近年、定性調査を通じて「顧客を深く理解したい」というニーズが社会全体で高まっている印象がありますが、高橋さんご自身はどのように感じられていますか?

高橋さん:
それは自分も強く感じていますね。もともと当社はアンケート調査など、どちらかというと定量領域を中心に取り組んできましたが、定量調査だけだと“表層的な情報”にとどまってしまいます。その点についてはクライアント側の実感も高まっていて、意思決定の場でも「定量だけでは不十分」という声をよく耳にするようになりました。

(▲)株式会社マーケティングアンドアソシェイツ 代表取締役社長 高橋隼人さん


── 確かに、数字やデータだけでは読みきれない背景心理にこそ、意思決定のためのヒントがあるケースって多いですよね。

高橋さん:
そうなんです。最近は、行動データや購買データなどを分析し、ユーザー理解を深めようとする動きも広がっていますが、データからはユーザーの潜在意識までは見えてこない。むしろ、データを深く見れば見るほど、「その裏側にある感情や心理を知りたい」という欲求が強まっていくはずです。

── データによる“見える化”が進むほど、その裏にあるものが気になるというのは、とても興味深いですね。

高橋さん:
はい。アンケートも本質的には意識調査ですし、そこからさらに深い理由を知るためには、インタビューのような定性調査で「なぜ」を掘り下げる必要がある。仮説出しやアイデア創出の一部は今後AIが担う可能性もありますが、人の意識の奥にある心理を紐解いていく作業は、やはり人間の力が必要だと思っています。


── そのような変化がある中で、マーケティングアンドアソシェイツとして強化したい領域や、社内に伝えているメッセージはありますか?

高橋さん:
リサーチという仕事は、突き詰めると「情報を扱う仕事」だと捉えています。今はリサーチで得られる情報以外にも、世の中にはさまざまなデータや情報が溢れている時代です。そんな時代においてリサーチ会社として大事なのは、多様な情報を収集し、それらを統合して、課題解決につながる“示唆”へとつなげていく力だと思うんです。

だからこそ、「視野を広げていこう」というメッセージをよく社内で話しています。方向性としてはコンサルに近い部分も出てきていますが、最終的に意思決定をするのはクライアント。その意思決定をより良いものに導くための材料をしっかり揃えることが、自分たちが果たすべき役割だと考えています。

「何とかしますよ」の精神が、会社全体に根付いている

── ここからは、アイディエーションに定性調査を数多くご依頼いただいている背景について伺えればと思います。数あるリサーチ会社の中で、アイディエーションをパートナーとして選んでいただいている理由はどんなところにあるのでしょうか?

高橋さん:
まず大きいのは、こちらの考えを先回りして理解してくれる点ですね。特に白石さん(アイディエーション代表)や山川さんとは、おふたりが楽天リサーチ(現・楽天インサイト)に在籍されていた頃からの長い付き合いになるので、「阿吽の呼吸」とまではいかなくても、細かく説明しなくても意図を汲んでくれる安心感があります。

それに加えて、ちょっとしたことでも嫌な顔をしないんですよね(笑)。これは本当に大切で、「何とかしますよ」という姿勢で最後まで伴走してくれる。難しい案件であっても、嫌な空気をまったく出さずに向き合ってくれるので、一緒に仕事をしていて気持ちがいい。

これは僕自身もリサーチャーとして大事にしていることで、「あいつに任せれば、どんな案件でも何とかしてくれる」と信頼してもらえる存在でありたいと常に思っているんです。そうしたスタンスの部分でもシンパシーを感じられるので、「仲間として、一緒に仕事をしていきたい」と自然に思えるんですよね。

── そう言っていただけるのは恐縮です…(笑)。そこは私も白石も大事にしている部分なので、そう感じていただけるのは素直に嬉しいです。

(▲)アイディエーション 山川雅志

高橋さん:

そして、何より素晴らしいのが、そのスタンスが会社全体に浸透しているところですよね。若いメンバーの皆さんとご一緒しても、同じ温度感で向き合ってくれるし、親身になって対応してくれる。白石さんや山川さんが築いてきたイズムが、きちんと組織全体に受け継がれていると感じます。

実際、若手の皆さんが本当にいい仕事をされていますよね。定性調査って、昔は年配のリサーチャーが中心だった領域で、モデレーターも40〜50代が一般的でした。でもアイディエーションさんの場合、20代・30代のモデレーターの方々が確かな力を身につけていて、クライアントからの評価もとても高い。

その姿を見ていると、「昔からの良さをしっかり受け継ぎながら、現代のリサーチ環境に合わせて進化している会社なんだな」と感じます。そこが、アイディエーションさんの大きな魅力だと思いますね。

細部への“こだわり”に垣間見えるプロ意識

── アイディエーションとご一緒する中で、「これは印象に残っている」という出来事があれば、ぜひ教えていただけますか?

高橋さん:
直近で特に印象に残っているのが、エンドクライアントの顧客を対象にしたインタビュー調査ですね。最初にアンケートを実施し、その回答者の中からインタビュー参加者をリクルートする流れだったのですが、参加確認の架電をエンドクライアント側で行うことになりました。

そこで、「トークスクリプトを作成するにあたり、アイディエーションさんが普段使っている雛形を共有してもらえませんか?」と相談させてもらいました。正直、そのときは軽いメモのようなものを想像していたんです。ところが、送られてきた雛形を見て驚きました。

いただいた雛形には、架電時の注意点、話す順序、伝達漏れを防ぐためのチェックリストなどがびっしりと細かく整備されていて。「参加確認の電話だけでも、ここまで細かく気を配っているのか」とプロ意識が感じられて、純粋に感動しました。

── 対応したメンバーが、高橋さんからの熱いメールにものすごく驚いていました(笑)。

高橋さん:
いや、本当に感動してしまって(笑)。普段、インタビュー調査をお願いする際には架電もお任せしていますが、どんな風にされているかに意識を向けたことは正直なくて。でも、この雛形を見て、日頃からここまで丁寧に対応していただいているのかと気づきました。

多分、こうした細部へのこだわりの積み重ねが、次の依頼に繋がったり、クライアントからの信頼を呼び込む力になっていると思うんですよね。

やはり、アイディエーションの皆さんに共通しているのは、熱量と誠実さなんですよ。ちょっとした仕事にも手を抜かない。メールひとつ返すにしても、丁寧に、真摯に向き合ってくれる。そうした姿勢は、本当にすごいなと思って見ています。

協業が広げた可能性と、これから共につくる未来

── 少し踏み込んだ質問なんですが、アイディエーションと組んで定性調査を数多く行うなかで、御社の業務や提案の幅に広がりはありましたか?

高橋さん:
それは明確にあると思っています。以前は、定性調査の提案をしても、弊社内にモデレーターがいないこともあり、なかなか実施まで至らない時期がありました。定性調査は手間と時間がかかるうえに、どんな示唆が得られるのかのイメージが持ちづらい。だから、相応の信頼がないと、「やりましょう」と言ってもらえないんですよね。

そんな中、アイディエーションと実績を一緒に積み重ねていくことで、「定性調査も含めて安心して任せられる存在」だと、クライアント側からの見え方が大きく変わってきた実感があります。実際、定性調査のご依頼は確実に増えていますし、リピートしてくださるクライアントも多い。

その背景には、アイディエーションのリサーチに向き合う熱量がしっかりとクライアントにも届いているからだと思います。定量・定性問わず、幅広い調査を扱う私たちにとって、アイディエーションは本当に“なくてはならないパートナー”だと感じています。

── そう言っていただけると、とても励みになります!最後に、これからアイディエーションと一緒に目指していきたい未来があれば教えてください。

高橋さん:
リサーチって、本来は企業の戦略づくりに欠かせないものですが、国内の市場規模で見るとまだまだ小さいんですよ。現状、マーケティングリサーチの市場規模は3,000億円にも届かない。少し幅を広げてインサイト産業全体と考えても5,000億円弱。そのポテンシャルを考えると、もっと広がるべき領域だと思っています。

だからこそ、リサーチの裾野をもっと広げていきたいんです。今はマーケティング予算や広告予算が潤沢な大手企業が中心になっていますが、スタートアップや中小企業でも当たり前のようにリサーチを使える環境をつくっていきたい。そのためには、新しいツールやソリューションを開発する必要も出てくるかもしれません。

ただ、当社とアイディエーションであれば、時代の変化にも柔軟に対応して、新しい形を一緒に模索できると思うんです。これまで築いてきた関係を大切にしつつ、リサーチ業界そのものを広げていくパートナーとして、共に成長していけたらいいですね。

山川 雅志

このコラムを書いたモデレーター

山川 雅志

調査を通じてヒト(消費者)とヒト(作り手)を繋ぐことに生きがいを感じています。

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