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デジタル化と逆行!?ホテル等宿泊客の顧客満足度向上の鍵を握るのは紙アンケート

このたび「ホテル等宿泊施設に関する満足度調査」を実施致しました。
この調査は、2019年11月21日~2019年11月22日の期間、全国25~69歳の過去1年以内に、自身で宿泊施設の選定を行い、実際に宿泊をした661人を対象に実施いたしました。

尚、661人の対象者を選定するために、4,365人へ事前調査を実施しております。

■調査背景・目的

東京オリンピック開催を間近に控え、インバウンド旅行者が目に見えて増加している昨今、ホテル等の宿泊施設の建設ラッシュが起きたり、民泊などの新しい滞在の形が注目を集めています。
宿泊施設の増加、施設で働くスタッフの人材不足、インバウンド旅行者のための言語や文化、風習への対応など、供給側では大きな変化が起きている一方、普段から旅行や出張で宿泊施設を利用しているユーザーはどの程度宿泊施設に満足しているのかを明らかにするため、本調査を実施しました。

■「ホテル等宿泊施設に関する満足度調査」調査結果サマリー

  • 宿泊施設の平均満足度は10段階評価で7.1。施設種別で見ると満足度が高いのは、「シティホテル(7.5)」、「観光ホテル・リゾートホテル(7.5)」。
  • 以前と比べ、宿泊施設のサービスの質が上がったと感じているユーザーは28%、下がったと感じているユーザーは20%。施設種別で見ると、下がったユーザーの割合が多いのは、「旅館(30%)」、「アッパーミドルホテル(27%)」、「シティホテル(27%)」、「カプセルホテル(27%)」。
  • リピート意向があるユーザーの割合は全体で78%、施設種別で見ると、リピート意向が高いのは「観光ホテル・リゾートホテル(85%)」、「旅館(79%)」、「ビジネスホテル(77%)」。
  • 滞在の感想を宿泊施設に伝えたユーザーの割合は30%。伝えたユーザーの内訳は、「紙のアンケート(39%)」、「オンラインアンケート(22%)」、「スタッフに直接(21%)」、「オンライン代理店のクチコミ欄(18%)」。
  • 次回の宿泊でもし宿泊施設に伝えたいことが出た場合の伝え方として選ばれたのは、「紙のアンケート(40%)」、「スタッフに直接(30%)」、「オンラインアンケート(30%)」、「オンライン代理店のクチコミ欄(25%)」。

■「ホテル等宿泊施設に関する満足度調査」調査結果詳細

  • 宿泊施設の平均満足度
    実際に回答者自身が選定し、宿泊した直近の宿泊施設の満足度を10段階で聴取したところ、全体の平均満足度は7.1となりました。

    施設種別で見ると、満足度が高かったのは「シティホテル(7.5)」、「観光ホテル・リゾートホテル(7.5)」となり、低かったのは「カプセルホテル(6.4)」、「ビジネスホテル(6.9)」となりました。【図1】


  • サービスの品質の変化
    宿泊施設のサービス品質の変化について、宿泊者がどのように感じているのか明らかにするため、品質が上がっていると思うか、下がっているか聴取したところ、全体ではサービスの質が上がったと感じているユーザーは28%、下がったと感じているユーザーは20%でした。

    施設種別で見ると、下がったと感じるユーザーの割合が多いのは、「旅館(30%)」、「アッパーミドルホテル(27%)」、「シティホテル(27%)」、「カプセルホテル(27%)」。上がったと感じるユーザーの割合が多いのは、「カプセルホテル(35%)」、「観光ホテル・リゾートホテル(33%)」となりました。【図2】


  • リピート意向
    宿泊者がどれくらい施設に対してリピート意向を持っているか明らかにするため、一度宿泊して満足した場合、再度同じ施設に宿泊したいか聴取したところ、全体では78%がリピート意向を示しました。

    施設種別で見ると、リピート意向が高いのは「観光ホテル・リゾートホテル(85%)」、「旅館(79%)」、「ビジネスホテル(77%)」、リピート意向が低いのは「カプセルホテル(62%)」でした。【図3】


  • 宿泊施設への感想の伝え方
    宿泊者が満足すればリピートする可能性が高いことがわかった一方で、滞在の感想を宿泊者はどのように施設に対して伝えているのか明らかにするために、意見の伝達の有無、伝える方法、伝えない理由を聴取しました。

    まず、意見の伝達の有無に関しては、「意見を伝えた(31%)」、「意見を伝えていない(69%)」となりました。
    意見を伝えた宿泊者に、どのように意見を伝えたか聴取したところ、「紙のアンケート(39%)」がもっとも多く、次いで「オンラインアンケート(22%)」、「スタッフに直接(21%)」、「オンラインのクチコミ欄(18%)」となりました。(※伝えた宿泊者n=280に対しての割合)
    意見を伝えていない宿泊者に、その理由を聴取したところ、「特に理由はない(57%)」がもっとも多く、次いで「伝えるほど大きな問題もなく、感動をしなかった(25%)」、「アンケートがなかった(12%)」、「伝えても何も変わらないと思った(6%)」となりました。(※伝えなかった宿泊者n=459に対しての割合)【図4】


  • 今後、宿泊施設への感想を伝える場合の伝え方
    もし次回宿泊施設に感想を伝えたいと思った場合、どのような方法で施設に感想を伝えたいか聴取したところ、「紙のアンケート(40%)」がもっとも多く、次いで「スタッフに直接(30%)」、「オンラインアンケート(29%)」、「オンラインのクチコミ欄(25%)」、「あてはまるものはない、わからない(15%)」となりました。【図5】

また、この設問を年代別に見たところ、紙のアンケートは35%~51%と、全年代において高い回答割合となりました。特に60代以上においては、52%と、半数以上が紙のアンケートでの回答意向を示しました。【図6】

 

■総括

今回の調査により、宿泊施設の施設種別ごとに滞在の満足度に差があり、宿泊者自身も以前と比べてサービス品質の向上や劣化を感じ取っていることが明らかになりました。リピート意向が概ね7割を越え、継続利用顧客を増やすためにも滞在満足度を向上させることが非常に重要です。

ただし、宿泊施設に意見を伝えるユーザーは3割しかおらず、7割の宿泊者は沈黙顧客となっております。このような顧客の声を少しでも拾えるよう、オンラインのクチコミ分析やクチコミへの回答、オンラインアンケートの実施など、デジタル化されたツールを活用して顧客満足度分析を行う手法が多様化しておりますが、次回意見を伝える場合の手段として、もっとも選ばれているのは紙のアンケート(40%)であり、アナログな手法であるものの、気軽に記載できる点が広く受け入れられているのだと思われます。

 

【調査概要】

  • 調査対象:25~69歳の過去1年以内に自身が宿泊施設を選定し宿泊経験のあるユーザー
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査期間:2019年11月21日~2019年11月22日
  • 有効回答数:本調査661サンプル(スクリーニング4,365サンプル)
  • 調査主体:株式会社アイディエーション

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